奈良仏教系といわれる「法相宗」「律宗」「華厳宗」。
密教系といわれる「真言宗」「天台宗 」。
法華系といわれる「日蓮宗」。
浄土系といわれる「浄土宗」「浄土真宗」「融通念仏宗」「時宗」。
禅系といわれる「曹洞宗」「臨済宗」「黄檗宗」。
これら13宗派が代表的な宗派で、ほかにもあります。
東北では、圧倒的に曹洞宗の寺院が多いです。特に岩手県、宮城県、秋田県、山形県では、寺院の半数前後を曹洞宗が占めるようです。 各県にある寺院の宗派は以下のような状況です。
青森県では、曹洞宗が最も多く、次いで浄土宗や、真宗大谷派、日蓮宗などが多いです。
岩手県でも、曹洞宗が最も多いです。そのほかでは天台宗(平泉町など)や、真宗大谷派、浄土宗、真言宗智山派、日蓮宗、臨済宗妙心寺派などもあります。
宮城県でも、曹洞宗が最も多いです。そのほかでは真言宗智山派、臨済宗妙心寺派、浄土宗、日蓮宗、天台宗(遠田郡涌谷町など)などもあります。
秋田県でも、曹洞宗が最も多いです。そのほかでは真宗大谷派、浄土宗、日蓮宗、さらに真言宗智山派、浄土真宗本願寺派もあります。
山形県でも、曹洞宗が最も多いです。そのほかでは真宗大谷派、浄土宗、天台宗、真言宗智山派、真言宗豊山派などがあります。なお寒河江市には、慈恩寺を本山とする慈恩宗の寺院があります。
福島県では、曹洞宗が最も多く、次いで真言宗豊山派、真言宗智山派(いわき市など)、浄土宗、天台宗が多く、臨済宗妙心寺派などもあります。
死に対する葬送では、宗教的な考え・儀式を 非常に重要なものとして重んじます。しかしその割に、その内容・方法は、宗教・宗派によって実に様々です。
同じ仏教の中でも 宗派によって葬儀の内容・方法には隔たりがあります。ある宗派では必要なものが、べつの宗派では不要であったりします。複数の宗教・宗派の葬儀を経験したことがある人は 紛らわしいと感じるところかもしれません。
たとえば、亡くなってすぐに行う枕教(まくらきょう)ですが、あげる宗派と そうでない宗派があります。
葬儀で唱える お経も宗派によって実は内容が違います。
「天台宗」では「臨終の鐘」として小さな鐘を鳴らします。
「臨済宗」では大声の「喝」が特徴的かもしれません。
「浄土宗」は、極楽浄土への旅立ちとする考えから、脚絆・草鞋・経帷子などの死装束を身につけさせます。
「神道」の場合は葬儀ではなく「神葬祭」といいます。 仏教とは違った雰囲気の儀式です。
「キリスト教」の場合もかなり雰囲気は違います。 仏教や神道との大きな違いは、死者崇拝をしないことなんだそうです。 死者への追悼と、残された者への励ましがメインです。
死に対する葬送は、宗教的な考え・思想を重んじて、一つ一つ細かなところまで儀式や所作が決まっています。
ところが、宗教的な考え・思想に、ビックリするほど お構いなしに変更された葬送内のプロセスもあります。
たとえば「火葬」です。
もともと日本でも「土葬」が多かったのですが、行政が主導して「火葬」への移行が行われました。公営の火葬場がどんどん整備され、短い期間で「火葬」化が進みました。
100年ほど前の1900年代には6~7割あった「土葬」が、今ではほとんどなくなり、99.9%が「火葬」です。「土葬」が当たり前だった頃の人は、「焼かれるなんてたまらない」「故人を燃やすなんて罰当たりでできない」という認識で抵抗も強かったそうですが、今では何の疑問もなく「火葬」が行われています。
葬儀においては、ご遺体の装束や様々な手順などが、宗派の考えに沿って こと細かに行われることが多いです。決められた通り行わないと、昔の人には「罰当たり」と叱られたものでした。
ところが「土葬」から「火葬」へという大きな変化は、「宗教的な意向」や「先人たちの思い・抵抗」には 全くというほど お構いなしに進みました。
この経験を通じて言えるのは、通常は尊重されるべき宗教的な手順・方法も、必ずしも絶対のものではなく、事情に応じて変更が やむを得ない場合があるということでしょう。
現在は少子化・高齢化・核家族化などを背景に、「無縁墓」や「墓の後継者問題」が社会問題となっています。 後継者がいなかったり、あるいは離れた土地に住み、墓守の高齢化も進んで、管理されず荒れるお墓も増えています。
このような状況から、お墓に対して頑固なほど昔気質な人からも「後継者に頼らないタイプの お墓」が選ばれるようになっています。
「戒名」は亡くなった後に故人につける名前というイメージが強いですが、それは誤りです。 そもそもは仏教で仏門に入った証しとして与えらる名前とのことで、亡くなってからもらう名前というわけではありません。 亡くなってから戒名をつける習慣は日本では盛んですが、世界まで視野を広げるとそれが当たり前というわけではないようです。
この戒名に宗派による違いを見る事もできます。
「浄土真宗」では戒名といわず「法名」といいます。「釋○○」という形です。「釋」は、お釈迦様の弟子という意味があるそうです。お寺に多大な貢献(寄付等)がある場合には「○○院釋○○」という形になる場合もあります。
「真言宗」「天台宗」「浄土宗」「曹洞宗」「臨済宗」「日蓮宗」などでは、戒名(又は法号)にもランクがあり「○○信士/○○信女」「○○居士/○○大姉」等が使い分けられます。さらにランクが上がると「○○院」というのが上に付きます。
「浄土宗」の戒名には「誉」という字が入ります。
「時宗」では「阿」や「弌」が入ります。
「天台宗」「真言宗」は上に梵字を書きます。
「日蓮宗」は戒名とは言わず「法号」といい、「日」や「妙」という字が入ります。
高額な戒名料を巡るトラブルもよく耳にします。 数十万円、数百万円というお金が動くこともあります。 近ごろはネットが便利になり、数万円でもらえる戒名もあります。(檀家の場合には、自分のお寺を無視して利用するわけにはいかないと思いますが・・)
僧侶の「戒名」の説明により、故人に はずかしくない「戒名」をつけてもらうことが、当たり前のことのように思えて、高額なお金を払う人もいます。
「戒名」は同じ宗派でも、寺院によって費用は違います。宗派が違うと、型・考え方も違います。そのため、たとえ何十万円、何百万円支払った「戒名」でも、もし宗派が変われば、「戒名」はつけ直しとなることもあります。
日本以外は、仏教徒でも亡くなった後の「戒名」は盛んではないそうです。
また日本人の中でも「戒名」がない人はたくさんいます。(神道やキリスト教、天理教、その他、仏教以外の信仰や、無宗教の人等々。)
「本当に戒名が必要なのか?」から、一度考えてみるのも大事なことだと思います。
同じ仏教でも、塔婆立を要したり不要だったり、違いがあります。 墓石への文字の刻み方にも、宗派の違いが見られます。
「天台宗」「真言宗」「浄土宗」などは、墓石の一番上に梵字があります。 「天台宗」は釈迦如来又は阿彌陀如来を表す梵字で、「真言宗」は大日如来を表す梵字、「浄土宗」は阿彌陀如来を表す梵字です。
墓石に「倶舎一處」の文字が刻まれていたら「浄土真宗」かもしれません。「日蓮宗」では頭に「妙法」という文字が入ります。
仏教ではお墓だけではなく、仏壇もあります。 この仏壇は宗派によって違いますので、宗派に合った仏壇にする必要があります。
本尊も宗派によって異なりますし、位牌などの配置も違います。 高祖や宗祖などをまつる宗派もあります。
仏壇を準備する際には、菩提寺に詳しく確認する必要があります。 その菩提寺と懇意な仏壇店で選ぶのが無難かもしれません。 仏壇もお墓に負けずに高額のものですし、間違いがないように注意が必要です。
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浄土宗
法然上人が宗祖です。「南無阿弥陀仏」の念仏を唱えることで救われると説いたことで知られます。総本山は知恩院です。浄土宗の信徒用の数珠は、二つの数珠を組合せた日課数珠が主に使われます。故人は西方の極楽浄土へ旅立つという考え方から、旅装束のような装束を身に着けさせます。
公営の霊園・墓地・墓園の長所と見落としがちな短所|都又は市区町村営
寺院の檀家以外の人にとって、墓を考えるときに公営霊園は欠かせない選択肢の一つです。安心感とか割安感のイメージがありますが、それって本当でしょうか?意外な落とし穴も。しっかり特徴を理解して検討することが大事。.....
墓石の値段
墓石には白御影石と黒御影石を目にすることが多いです。一般的に黒御影石のほうが高いです。これは黒御影石のほうが硬度が高く重い傾向があり、加工が大変だからのようです。墓石の値段には墓石のデザインも関係します。複雑なデザインのほうが手間がかかり価格は高くなる傾向にあります。
無縁墓
お墓を守る人がいなくなったお墓を無縁墓といいます。原因としては少子化などで跡継ぎがいなくなる場合などがあります。都市への移住や転勤が当たり前になり、家族や親族も離れて暮らすことも多く、関係も薄くなり、徐々に跡継ぎのなり手は少なくなっています。
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